水について

ビールの大部分は当然水でできています。よって水に含まれているミネラルや成分が、手作りビールに多くの影響を及ぼすことになります。

しかし、水がよければ良いビールを作れるわけではありません。水以外の原料や醸造方法などの要因によりビールのクオリティが決定づけられます。しかし、タンクの洗浄、モルト作り、マッシング、煮込み、発酵とビールを手作りするあらゆる工程で水が使われます。よって水の成分を科学的に分析し、その影響を理解しておくことは、良いビールを作る上で重要なことになります。

水道の水を使用する場合は以下に気をつけるのが吉です。

  • 水道水を浄水器でろ過する
  • 水道水を煮沸する

こうすることで、水道水に含まれる塩素をかなり取り除くことができます。

水の質について

手作りビールにおいて水質とは、飲料に適しているかどうかの他にも、含有ミネラル成分などが問題になります。水を科学的に計測する場合には「硬度」「酸性・アルカリ性」が問題になります。

酸性・アルカリ性の度合いはpHで示されます。また、硬度はミネラル成分の含有量(ppm)で表されます。

ビール作りで値を調べたり添加するミネラルには

  • 石膏(硫酸カルシウム:CaSO4)
  • 食塩(塩化ナトリウム:NaCl)

などが挙げられます。これらのミネラルは水に溶かすと電離し、カルシウムイオンと硫酸イオン、またはナトリウムイオンと塩素イオンに別れます。これらのイオンはビールの味に影響を与え、他の原料から出てくるイオンなどと反応することもあります。

水質がビールに及ぼす影響

水がビールの質に最も影響を及ぼすのは、酸素がデンプンを糖化するマッシングの過程になります。したがってモルトエキスから手作りビールをつくる場合は、水質についてのそこまでの詳しい知識は必要ありません。またモルトエキスにはメーカーによって必要なミネラルなどが添加されています。マッシング時における水質の影響については他で説明するとして、ここでは石膏や塩に含まれるイオンの働きについて説明します。

カルシウムイオン

カルシウムイオンには発酵の段階でイーストを沈殿させてビールをクリアにする働きがあります。またウォートを煮込んでいるときにもモルトの殻やタンパク質など、ビールの渋みや濁りの原因となるものを取り除く作用もあります。

硫酸イオン

硫酸イオンにはビールに「キレ」を与えドライにする作用があります。強すぎるとホップの苦味がうまく抽出できなくなります。またビールが塩っぽくなったり舌触りが悪くなることもあります。

ナトリウムイオン

ナトリウムイオンにはビールの風味を強く感じさせるという作用があります。強すぎると、舌触りを悪くし、すっぱい金属的な味わいをビールに与えます。

塩素イオン

塩素イオンはビールをソフトでまろやかにし、甘くボディのあるものにする作用があります。

どのミネラルも、過剰に入れるとビールの味が損なわれます。これらのミネラルはモルトエキスや一般の水道水に含まれているので、基本的にはミネラルの添加を考える必要はありません。

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