モルトについて(その2)

(その1はこちらから)

モルトとは大麦を発芽させ乾燥させたもののことを指すのは、既に説明しました。このページではモルトを醸造過程でどう使われるのかについて説明します。

醸造過程で大麦モルトはどう使われるのか?

大麦モルトを「マッシング」して「麦汁」を濾しだし、それにホップや他の穀物(グレイン)を加えて煮込むと「ウォート」が出来上がります。もう少し詳しく説明していきます。

まず、大麦モルトを砕きます。コーヒーミルでコーヒー豆を挽くようにして少し粗めに挽きます。そうすると殻が取り除かれます。挽いた大麦モルトにお湯を加えると粥状の「マッシュ」と呼ばれるものになります。マッシュの温度を66℃〜71℃にすると、モルトに含まれている「ジアスターゼ」が活発に働き出し、溶け出したデンプンを糖分に変えていきます。こうして甘くなったマッシュから汁だけを濾したものが、「モルトエキストラクト」または「麦汁」と呼ばれるものになります。この麦汁にホップなどを加えて煮込んだものが「ウォート」と呼ばれます。

モルトエキスはどうやって作られるのか?

手作りビールのキット缶を開けるとたっぷりのカラメル状のシロップになったモルトエキスが入っています。このモルトエキスは、ウォートから水分を蒸発させ濃縮されています。これは、パッケージや運搬コストを下げるための工夫です。

水分の蒸発は周りをできるだけ真空に近い状態にして行います。気圧が低いほど液体の沸騰する温度を下げることができるためです。低温度で水分を飛ばすことができれば、モルトエキスの風味を損なうことなく濃縮することができ、また加熱にかかる燃費も節約することができます。一般的にモルトエキスの製造業者は、41℃〜71℃の温度で水分を蒸発させているらしいです。モルトエキスの含有水分は20%くらいで、のこりの80%は糖分や風味成分となります。

また、カラメル状だけでなく、パウダー状となったモルトエキスも販売されています。パウダー状のドライモルトは「スプレイドライ製法」と呼ばれる方法で水分をほとんど蒸発させています。蒸発させたのと同じ分量の水分を加えてやると、元の状態に戻すことができます。

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