ホップについて(その3)

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ホップの苦味・風味の要因

研究が進むにつれて、ビール原料としてのホップの役割がますます重要だと認識されるようになりました。

その2で書いたように、ホップの花弁の根元には「ルプリン」と呼ばれる黄金色の小さなカプセルがついています。一見すると花粉のようですが、実はベトベトした物質で、中にはオイルと「レズン」と呼ばれる樹脂が内包されています。ホップの芳香はオイルから、苦味はレズンから生み出されます。

ルプリンを指でこするとカプセルが破壊され、中からこのオイルとレズンが出てきます。ルプリンが酸化するとオレンジ色になり、香りはしなくなります。つまりビールには使えないということになります。

ホップの成分は他にもありますが、手作りビールに重要なのはオイルとレズンだけです。

ホップの苦味

ホップにはα(アルファ)とβ(ベータ)のレズンが含まれています。それぞれα酸、β酸と呼ばれ、ともにホップの苦味に貢献しています。苦味の強さはホップの重量に対する%で示されます。

ビールの苦味成分のほとんどがα酸によって形成されているので、ホップの苦味度には「α酸何%」という表現が使われています。

α酸とβ酸で手作りビールに苦味をつける

ホップから苦味成分を抽出するためには、ホップをウォートに入れて煮込む必要があります。α酸とβ酸の苦味成分をホップから抽出するために、30分から90分煮込みます。長時間煮込む理由は、レズンが液体に溶けにくいためです。ウォートにレズンを溶けこませるために、ウォートが対流するようにしっかりと煮込む必要があります。

激しく沸騰させることで、α酸がウォートに溶けやすい状況になります。それによってα酸は「異性化」と呼ばれる化学反応を起こし、ウォートに溶け込みます。一方、β酸のほうは酸化させることでしか液体に溶け込みません。しかも苦味の貢献度はα酸よりずっと低いので、古くなって酸化したホップはあまり役に立ちません。むしろ「オフフレーバー」と呼ばれる雑味がでてしまい、ビールにとってはマイナスの効果の方が強くなります。したがって古いホップを使ってはいけません。

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