イーストについて

手作りビール作りに欠かせないイーストは生物学的には菌類に属します。ビール原料に含まれた糖分を食物として成長し、繁殖しながらビール特有の風味を作り出します。イーストには多くの種類があり、空気中にもたくさんの「ワイルドイースト」が漂っています。しかしワイルドイーストは、ビールの風味を損ねたり、ビールを濁らせたり、発酵しすぎてビールを噴出させたりといった、予測できない事態を引き起こすので、手作りビールには特別に選定されたビアイーストだけを培養して使います。

ビアイーストの系統

ビアイーストには大きく分けて2つの系統があります。

  • エールイースト:上面発酵酵母。学名は「サッカロマイセス・セルベシエ」。
  • ラガーイースト:下面発酵酵母。学名は「サッカロマイセス・ユバルム」。

この2つの系統からさらに細かく分類された何百ものイーストが存在し、それぞれが特徴あるビールを作り出します。

手作りビールに使うビアイースト

エールイーストは13℃〜24℃くらいで活動するイーストです。これより低い温度だと発酵はうまくいきません。多くのエールイーストは発酵の初期に液面に浮き上がり、凝集して活動するので「上面発酵酵母」とも呼ばれます。最終的にはイーストは発酵容器の底に沈んでいきます。エールイーストでビールを作ると、エールイースト特有の香りがビールにつきます。

ラガーイーストは0℃〜13℃くらいで活動するイーストです。醸造後に4℃以下にして3週間から数ヶ月熟成(ラガーリング)すると、スムーズな口当たりの美味しいビールが出来上がります。ビールの風味はイーストの種類によってかなり異なります。ラガーイーストは発酵するとき容器の底に凝集するので、「下面発酵酵母」とも呼ばれます。

質の良いイーストを手に入れるには?

手作りビールの原料を取り扱うお店で手に入るビアイーストはたいてい粉末状のドライイーストとして、パッケージに密封された形で売られています。また、液状で培養されたリキッドイーストも売られています。

ドライイーストの利点は扱いが簡単なことです。これはそのままウォートにふりかけるだけでも使えますが、イーストを培養液に戻して活性化させてから使うとより確実に風味を引き出すことできます。培養液には一度煮沸殺菌した水を使うとよいです。1.5カップぐらいの水を10分くらい煮立てて、それを殺菌消毒した容器に移し、ラップなどでしっかりフタをします。そのまま容器を冷やして水温が38℃以下になったらドライイーストを入れて、15分〜30分そのままにしておきます。これでイーストが活性化します。ウォートに投入するときは、ウォートとイーストの入った水の温度が同じくらいになっていると理想的です。

ラガーイーストはラガーらしい特性を損なわずにパッケージすることが難しく、購入したドライイーストが十分な発酵活動を行えるかの保証がありません。ラガーイーストはリキッドイーストが理想的です。

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